Ironman France 2012 に参戦してきました!!!
Swim3.8km Bike180km Run 42km
開催日:2012年 6月 22日 場所:France Nice
フランスの大会を選んだ理由
・トライアスロン強豪国のヨーロッパで勝負したい
・憧れのランス・アームストロング(元自転車プロロードレース選手)参戦
(ロードレース現役時代のドーピング問題が浮上し不参戦)
・コートダジュールの温暖な気候とバラエティーに富んだ地形であること
・SWIM:波が穏やかで水温が快適な時期にニースの地中海を泳げること
・BIKE:海辺と内陸の山並みの両方を通り美しい風景を満喫できること
レース本番、空はまだ薄暗い中、続々と会場に向かう人たちを見かける。
完走した誰もがアイアンマン。スタート地点に近づく度に緊張が増す。
なぜかフィニッシャーゲートを見ると涙組むことも。。。
今は気持ちを高めることに集中し、絶対に嬉し涙にすると誓う。
会場では鼓動高まる音楽が流れ、スタート前にも拘らず観客の大声援に包まれていた。
緊張が高まる。ニースの地中海では何度も試泳していたので感覚は掴んでいるものの、
海で泳ぐのが凄く不安でしかたがなかった。。。
一つの理由としては、6月頭の平塚オーシャンスイム(大雨)で、
水温の低さで心臓が止まりそうになり呼吸困難な状態が続いたのがトラウマになっている。
【Swim:3.8Km】
レーススタート後、苦手なスイムはとにかく落ち着くように心掛ける。
バトルに巻き込まれぬように終盤からのスタート。
気持ちはリラックスしている。しかし落ち着いていたはずが、
スイムではゴーグルの曇り止めを忘れるという失態に気付く。
綺麗な地中海を泳いでるはずが、目の前の視界がなくなり目指しているブイも見失うこともしばしば。
それでも何とかスイムパートを無事に完走。
【Bike:180Km】
バイクパートは前半、コートタジュールの海岸沿いを走ることになる。
スイムで遅れを取った分、得意のバイクパートで順位を上げていこうと気合を入れる。
頭の中ではとにかく中盤集団に追い付きたい気持ちでいっぱいだった。
随分と走行するも、バイクコースの序盤で何人か選手を抜いて以来、他の選手を見かけなくなる。
市街地から抜けずコースに不安を覚えてくる。そういえばコースの目印も見当たらない。
次第に足取りがゆっくりになるも、後方からは選手の姿が見えたのでそのまま走行し続ける。
そして、、、なぜか赤信号に捕まる。。。
流石に交通規制をしているわけだから、
信号が赤だろうが問題無いと思い素通りしようとした瞬間、車にクラクションを鳴らされる。。。
正直、何処を走行しているのか全然わからなかった。
バイクのコースロストに気付いた瞬間だった。同様にコースロストしている選手が数名。
他選手に道合ってる?と聞かれるも『I don't know...』と答えてしまう。
外国勢の選手は『faaaaaaaaaaack!!!!』と雄叫びを叫ぶ選手もいた。
その中でも、イギリスの選手がリーダーシップを取ってくれて一般人に道を聞いて周ってくれた。
一般市民はレースのコースを知らない人がほとんど。
その中でも奇跡的にトライアスロンレースを知っている人がいて、随分と戻ることに気付く。
何処かで左折する場所があったのだ。Swimで上がるのが遅かったのかスタッフはすでにいなかった。
バイクコースにどうにか復帰するも往復30km程のロスをしていた。
自分自身、佐渡のロングを完走していたからコースの把握を完全に怠っていたと反省。
しかし、迷った選手同士で声を掛けながらレース再開!!!
『絶対にゴールしようぜ!』『ゴールで絶対に会おう!』
こうやって選手同士で励ましあいながらレース展開を進めるのは初めてであり、何より凄い心強かった。
市街を外れて山岳のコースが始まる。
ここまで出遅れた分、制限時間が気になり他の選手よりも先に前に出ることを決意。
とにかくコースが分かり辛い。分かり辛い場所にはスタッフが立っているが、
スタッフがいる度にコースの方向を聞きながら進むことに。
とある登り坂と下り坂の分かれ道で、スタッフに下り坂を指示される。
しかしポールは登り坂方面に並んでいた。下りで合ってるの?と聞くと、
何か説明しているが全く英語を理解できない。。。 とりあえず信じて走行するしかない!
順調に走行するも再度迷うことに。。。迷ってばかりで最悪なレース展開。
自分の信じた道を進むか・・・後方の選手を待つか・・・。
孤独により不安が強くなる。たまに車とすれ違えばレースの方向を聞いてみる。
が、まず知る人がいない。何人目だろう。声を掛けたロードレーサーが道を知っていた。
何とっ!!! 現時点ですでにいる場所が違っていた。地元のロードレーサーに助けになりコースを戻ることに。
すると、スタッフに下り坂を指示された場所まで戻ってくることに。
ここで何となく悟る。自分のレースは終わりなんだと。
スタッフから最初に来た道を案内されるのでその道を下って会場に戻ることに。
だが信じられない自分もいた。後方の選手はもう会場に戻ったのだろうか・・・。
しばらくダウンヒルを走行してると後からモーターサイクルの音が聞こえてくるので、ふと振り返る。
何と、BIKEトップ選手の通過だった。あっという間に過ぎ去っていく。
レースにすでにリタイアしている自分は、上の空な感じがした。
やがて市内に入り始めると観客が目立ち始める。
そうすると、アリー!アリー!(頑張れ)と応援してくれることに気付く。
悔しくて惨めだった。俺のレースはすでに終わってるのに・・・。
すでに気持ちが終わってる自分は足取りが悪く、どんどん上位選手に抜かされていく。
そして会場へ。スタッフにリタイアということを告げる。
とにかく猛暑なので日陰でゆっくり休みな! と、トランジットに案内される。
続々と選手が入ってくる。特に何も感じずボーっとしていた。未だに現実が理解できないでいたからだ。
その後もトランジットで休憩していたら、昨日夕食を一緒に取った一人の日本人に出会う。
『めちゃめちゃ早いじゃん!』と声を掛けられるが、バイクでコースロストしてタイムアウトしたことを伝える。
今まで現実なのか理解ができてなかったが、この瞬間ついに現実に戻り涙が溢れ始める。。。
彼ももらい泣きして『俺まで悲しくなってきたじゃん』と。こうなるともう涙が止まらなくなる。
彼に『俺もマレーシアで完走できなかったけど、トップ選手のゴールはみた方がいいよ!』と声を掛けられる。
『絶対に感動するから』『一人でフランスまで来てさ。それだけですごいよ!』
彼は情熱的なトライアスリートだった。自分はどうなんだろう。。。
やっぱりトライアスロンが好きだからフランスまで来たのかな。
様々な思いを抱えながらも、ゴールでトップ選手を待つことにした。
トップ選手の姿が現れると、去年のIM Franceも制したヴァン・リエルデ選手だった。
トップ選手がゴールした瞬間『ニューレコード!!!』とナレーターが叫ぶ。
また涙腺が緩み始めた。感動ではなく、ゴールラインに立ちたかったという気持ちのほうが強かった。
何しにフランスまで来たんだろう。何度も何度も自分に問うようになった。
改めて考えると、トライアスロンが好きという気持ちより、自分の存在意義を確かめるためかな。
レースは終わった。
彼は自分に次の言葉を残してくれた。
『次はリベンジしなきゃね。続けていればいずれ語れる様になるけど、
やめてしまったら悔しい思いが残るだけだから。次こそは本当のアイアンマンになれるから。』
日本帰国時色々と考えた。
悔いが残ったまま辞めるわけにはいかない。
いずれまた、アイアンマンレースに出場して今度こそ。。。
お世話になった彼こと 小暮さん
前夜祭で集まった日本&フランストライアスリート